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鈴の音情報局blog

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中国発の3.9G「TD-LTE」の威力

中国発の3.9G「TD-LTE」の威力(前編)――次世代PHS、WiMAXの代替規格として急浮上
http://businessnetwork.jp/tabid/65/artid/323/page/1/Default.aspx


中国発の3.9G「TD-LTE」の威力(後編)――世界の商用化動向とソフトバンクの狙い
http://businessnetwork.jp/tabid/65/artid/324/page/1/Default.aspx


ネタとして持ち上がったのでついでにこの記事にも触れておくことにする。
TD-LTEについて結構詳しく書かれている。

TDD方式は上り下りに同一周波数を使うので周波数によって変わる電波の反射角が同一になり、上り下り
ともに同じ経路を通って通信が出来るのでビームフォーミングをかけやすいこと等FDDには無い利点がある。
例えば光では波長(色)が違えば屈折率が変わって虹が出来るのと同じ理屈だ。
ビームフォーミングとは特定の端末に向けてのみ強力な電波を出して狙い撃ちをすることです。
つまりビームフォーミングを煮詰めることが出来れば周波数域に限らず他の端末にノイズとなる電波を
出さずに特定の端末の受信感度を高めることができるというもの。芸の細かい技術です。

片やFDD方式の本家のLTEは上り下りの周波数が違うのでタイムスロットの衝突が起きない。
それぞれに長所と短所がある。

タイムスロットの衝突とはどういうことか。
上上下下下下という風にタイムスロットが割り当てられていたとする。
上は端末が電波を出すタイミング、下は基地局が電波を出す為のタイミングだとする。
この上下が完全に同期できていれば基本的には衝突は発生しない。
しかしなかなかそう簡単でもないのだ。

電波が出てから受信されるまでの間に幾らかの遅延はある。
ほんの僅かだが、基地局から100mの距離にある端末と3Km先の端末では届く時間が同じにはならない。
当然受け取った後には返事の通信だって有る。その場合二つの端末を比べると、2.9Kmの更に
往復分の遅延が基地局側から見てあることになる。

それを防止するには前のスロットの電波を受信し終えるまで次のスロットの電波の発射を待てばいい。
しかしそれは基地局が一つ、端末が一つの場合の話。
実際には複数の基地局があり、端末も数え切れないぐらいある。
端末はともかく、基地局は電波の出力が大きいから深刻だ。
GPSで同期を取って上下のタイミングを合わすなどしているようだが話はそう簡単でも無いらしい。
遠くの基地局の電波が届くまでの時間のズレを考慮しなくてはならないからだ。
通信相手の基地局が3kmの場所だとして、今回のタイムスロットの受信を終えても6km先の基地局の
前回のタイムスロットの送信分は少し遅れて届く。

なので相手の端末の電波を受信し終えるだけでなく、もう少し時間の余白を取るという無駄な待ちが
どうしても必要になる。これがTDD方式最大の欠点だ。この為に電波の状況のいい端末があっても
基地局設計がしっかり出来ていないと"待ち"の為に速度が出なくなる。
FDDとはまた違ったノウハウが必要になる。もっともビームフォーミングでかなり欠点は解消できる
と考えられるのだが、完全に一対一の空間を作れるわけでは無いので補助として考えられる程度だろう。


FDDはLTEで間違いない、しかしその相手になるTDDの選択が問題だ。
WiMAXは先行分逃げ切る形でシェアを取る積もりだったが、やはりその先にLTEが有るととりあえず
待ってみようという模様眺めの空気が出来てしまう。現在日本でWiMAXが大きくシェアを取ることが
無いのはその為だと思っている。

それと試験サービスを行っていたXGPは下りのピーク性能の数字がWiMAXよりも低いにもかかわらず、
実測値は概ねWiMAXを超える。上りは元々得意なのでWiMAXは足元にも及ばない。しかも同じ2.5GHz帯の
帯域を使っているにも拘らず室内の奥までリンクができると言うレポートが多い。
マイクロセルが利いているという推測もあるが私はビームフォーミングの制御が意外に効いているの
ではないかと考えている。

それとよほど受信状態が良くないとリンクが成立しないと言われていた256QAMが室内でもリンクできている
ケースも有るようだ。64QAMでは出ない10Mオーバーの速度が室内でも計測されるケースが報告されている。


そしてTD-LTEは先出のこうした技術を横目で見ながら開発が進められている。
当然使えるものは使うだろう。256QAMはやはり条件に厳しいので見送られているようだが。
TD-LTEはWiMAXに対向すべく通信可能速度を高速鉄道にターゲットを置いている。
WiMAXの欠点である高速なハンドオーバーが出来ない所を逆手に取り、320Km/hでのハンドオーバーを
可能にする。いや実際はリニア鉄道を使ってもっと上の速度域でテストされているのだが。



私の推測だが、ソフトバンクは多くの人が言うように15万箇所のPHS基地局ロケーションと
2.5GHz帯の割り当てのみが目当てでXGPには魅力を感じていないと思う。
ここ最近熱心にXGPの魅力をコメントで語ってくれている方がいらっしゃるが、多くの人の気持ちを
覆すのは厳しいだろう。古くはVHSとβの時も最後の最後までβの技術的優位を解いていた人がいた。
私は当時ソニーの技術者が多数所属する集団に属していたのでEDβの話を宗教じみた勢いで聞かされていた。

しかし人の心が離れてしまった斜陽規格はどう転ばせても立場を取り返すのは難しい。
β、VHD、HD-DVD等など。βの技術は私も高く評価していた、しかし当時既にS-VHSユーザーだった。

我々には情報は無いが今回のワイヤレスジャパンで漏れ聞こえてくる個々の部品的な情報は
「ソフトバンクはTD-LTEを選ぶであろう」という勘繰りを少し前進させてしまう要素が有った。
総務省との戦いはあるにせよ、2.5GHz帯がTD-LTEに転用される可能性も十分に出てきたと考えている。

ここ最近の記事を読んでいる方はほぼ分かっていると思うが、私はLTE + TD-LTEのペアの推進派だ。
その理由は両対応の端末が非常にシンプルになる。TDDとFDDの両帯域をまるで一つのものとして
扱えるようになるのではないかと予想している。最大の問題はアンテナだがこれはFDD+TDDの
どの規格の組合せを採用しても付きまとうので割愛。

KDDIとソフトバンクが2.5GHz帯を占有、ドコモはIPモバイル跡地か2.3GHz帯辺りの割り当てられる場所が
あればそこで。又は3.4GHz~3.6GHz帯の割り当てでドコモに2.5GHz帯が無い分優位に割り当てると言うのも手だ。

どちらにしろ将来的に多くの帯域が必要だ。
なので私は通信方式を多くして帯域の取り合いをするのではなく、方式を絞ってとにかく一つの方式に
出来る限りの帯域を割り当てたほうが効率がいいのではないかと考えている。

FDDもTDDもLTEで固めてしまえばそれだけに帯域を割り当てることが出来る。
国際社会でも日本の無線インフラは一目置かれることになるだろう。
端末のリファレンスは日本で・・・と注目されるように、隣の韓国や中国ばかりが注目され日本の
立ち居地がなくならないようにするにはまず地べたの整備からと考えている。


小難しいことは私は分からない。そんなのは役人さん方やホワイトな色の方の仕事だろう。
ただ言える事は日本が沈没しない為の一つのアイデアを掲げるのみ。
FDDはLTE、TDDはTD-LTEでほぼ世界が動き始めている以上、ここでわざわざブレーキをかけるのは
先でその分が遅れになってしまう。

とにかく旗振り役が欲しい。
中国や韓国と対等に競える為に。
日本の誰もが迷わないようなはっきりとした方針を。
デバイスメーカーから端末メーカー、キャリアまで同じ方向を向くことが出来る方針を誰かが決めるべき。
それが出来るのは少なくとも私ではない。

私はこんなちんけなブログで吠えることしか出来ないのだから。
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