FC2ブログ

鈴の音情報局blog

携帯関連の将来や最新の技術情報や業界の行く末などを適当に綴るblogです。 内容の信憑性は?余り信じない方がいいと思います。
本家の鈴の音情報局はこちら→http://suzunone.0g0.jp:8800/
スマホ・携帯端末アクセス[ランキング][アクセスシェア(グラフ)] (毎年10/1にログをクリア)

携帯端末の設計と、生き続けるBREW

[MWC2010]中国ZTE、Androidより低価格帯を狙うスマートフォン
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100222/344897/?ST=keitai


KDDIがKCP/KCP+で採用しているBREWだが、AndoridにもBREW後継のBrew MPを採用した端末が対抗馬として
登場した。

BREWとは何か?クアルコムのMSMシリーズのチップ用にデザインされた一種のミドルウエアだ。
MSMチップ内にはARMチップコアがいてそのARMチップに向けたシステムの処理系とアプリの間の位置に存在する。

なのでクアルコムのチップを採用するとなるとベースのシステム部分からBREW層までをクアルコムが面倒を
見てくれることになる。MSMチップからBREWまで完全にクアルコムにお任せでいいのだから端末の設計は
そこから上の層だけでいいので非常に楽チンだ。

他社の場合はCPUとGPUを選定し、RF部や画面表示部等も選んで組み合わせ一つのコンピュータを設計するところ
から始まる。その上に既存のOSを持ってくるというのが慣わしだった。Linux系やSymbian系はそういう作りに
なっている。

CPUの機械語、つまりARMのCPUに対してネイティブで直にOSを記述していくこともあっただろう。
しかし繰り返し使うような汎用プログラムを毎回記述をするのは複数人数で開発をすると、コードの重複や
毎回各プログラマが作り直すことによるコードの未熟による信頼性の低下を招く。勿論開発工程が増えるの
だから開発期間の増加の原因にもなる。

それを予め必要そうな機能のAPI群として準備しておくのがミドルウエアというわけだ。
BIOSや通常のAPI等と分けられて名前が付いているのはプリミティブな機能より少しまとまったマクロな機能を
提供する為ことが多いのでミドルな存在としてそう呼ばれているからだ。
携帯電話端末用のミドルウエアな訳なので汎用PCのミドルウエアには必要のなさそうなものがてんこ盛りで
準備されているわけだ。便利なはずである。

こういったミドルウエアは端末の開発メーカーが個々に設計して準備してきたものだ。
今ではある程度統合され、ドコモならMOAP(L)の血を引くLiMo系(NECが開発担当)とMOAP(S)の血を引く
Symbian系(富士通が開発担当)の二種類だ。


しかしBREWはそれを端末開発メーカーがいちいち開発せずともクアルコムが用意してくれている。
クアルコムのチップを買えばミドルウエアがおまけについてくる。グリコよりお得かもしれない。

そういったソフト資産はバージョンアップが付き物だが、それはクアルコムが責任もってしてくれるし、
同じくMSMチップを採用している他社のレポートも反映されるのでメリットは計り知れない。
あとBREWの特筆すべき点はアプリがBREWに直接アクセスできることだ。

アプリはARMネイティブなコードを記述して端末メーカの用意したAPIだけでなく、BREWのAPIも叩くことが出来る。
早い話が端末のほぼ全ての機能が利用できるわけだ。(勿論レベル管理である程度の制約は付けられているだろう)

なのでBREW上に乗るOSはOSというよりはBREW自体がある程度OS的な部分を内包しているような設計に
なっているのではないかと思う。つまりOSの設計もかなり手数を省けるのではないだろうか。

極端な話OS的なコードをなくし、いきなりBREWアプリ層だけを構築して端末を作ることだって十分可能だと思う。
OS層的なコードを構築した例はKDDIのKCP/KCP+だろう。しかしKCP/KCP+的なソフトを作らなくても直に
メールの処理やアドレス帳、電話の応対のアプリを実装してもいいわけだ。BREWが有れば非現実的な話でもない。

自社でKCP/KCP+に代わる物を作ってもいいわけだが、もうそこは一社で端末設計を全て完結しているなら
ライブラリをどの層で持つかを決めるだけの違いでしかないように思う。


前置きが長くなったが、この紹介されている端末はまさにここで書いてきた「(プログラム的な意味での)
高級志向に逆らった低レベル設計を逆手に取った」製品なのかもしれない。

高級志向はどうしても何層にもレイヤを作ってカプセル化を行う為に、無駄に捨てるCPUパワーやメモリ容量と
いうものが有る。一つ一つは大したものではなく無視できるものだ。しかしそれらがループ処理などで大量に
集められると無視できないものとなってくる。

現在の派手なもっさり端末は全てそうして出来ている。
二昔以上前の国家を支えたスーパーコンピューターを超えるCPUパワーを手の平に収めているにも拘らず、
人間が端末の速度に合わせて入力しなければならないほどのもっさりとした処理はソフトウエア群の
高級化によってもたらされる。

その中の積み重なったレイヤのたった一層でも「もっさり層」が有ればそれ以上の高級層はすべてもっさり
になるわけだ。

例えば以下のような3層レイヤの例を考えてみる。

HTML  高レベル層
 |
ブラウザ
 |
OS    低レベル層

OSが最低級レイヤでHTMLが最上級レイヤな訳だが、どれだけ高速OSを持ってきてもブラウザが考えられないぐらい
もっさりな出来だったとしたら、HTMLのブラウジングが快適なわけがない。高級化というものはコストの増大を
引き換えにした便利さの傍受というわけだ。


中国はまだ人件費が安いほうの国だ。
日本人が必死になってLiMoやKCP+を作っているよりも間違いなく安いものが出来る。
しかも高級化をしなければ当初のコストは相当省けることも多い。(勿論デメリットやコスト増大する部分もある)

この端末が高級層を何層にも積み重ねてもっさり化しているAndroidを尻目に300MHzのCPUで通常に使えるわけだ。
長年のBREWの歴史があるからこそFlash等のソフトウエア資産の蓄積もあるわけだ。咀嚼の終わった枯れた環境を
引きついでいる有利さをしっかりと傍受した端末開発をしているといえるだろう。
関連記事
  1. 2010/02/23(火) 19:18:02|
  2. 携帯
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<CDMA系とLTE系の綱引き | ホーム | 勝って兜の緒を締めるApple?>>

コメント

コメントの投稿(投稿時には必ず何らかの名前を付けてください)


管理者にだけ表示を許可する

(名前を入れないとクリックできません)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://suzunonejh.blog15.fc2.com/tb.php/753-d17083f0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

最近の記事

機能リンク

最近のコメント

カテゴリー

ブログ内検索

ブログリンク

RSSフィード

QRコード

QR

月別アーカイブ



メールフォーム

お問い合わせ・ご質問はこちらから。

名前:
メール:
件名:
本文:

suzunone.m(あっと)gmail.com に
直メでもOKです。