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次世代高速グラフィックAPI Vulkan、Androidでサポート、アップルのMetalに対抗、現在はMetalが圧倒的に先行するも、Direct X12も追い上げ中の上、Androidでの対応が本格化すれば強烈な追い上げに・・・その全てはAMDのMantle

一月ほど前、Khronosが新グラフィックスAPI であるVulkan 1.0のリリースを発表しました。

Khronos、新グラフィックスAPI 「Vulkan 1.0」のリリースを発表 ~ juggly.cn
Khronos Working Group は 2 月 16 日(現地時間)、モバイルデバイス向けの新たなグラフィックス API「Vulkan 1.0」のリリースを発表しました。
Vulkan は、Khronos Group が 2015 年の GDC で発表した、3D グラフィックス・コンピューティング向けの API 群で、OpenGL の次世代版と位置づけられています。

Google、Androidで低オーバーヘッドのグラフィックスAPI「Vulkan」をサポート ~ juggly.cn
Google が Android において、従来よりも CPU へのオーバヘッドが低いグラフィックス API 「Vulkan」をサポートすると発表しました。
Vulkan は、Khronos Group が 2015 年の GDC で発表した、3D グラフィックス・コンピューティング向けの API 群で、OpenGL の次世代 API として発表されました。CPU にかかるオーバーヘッドの低さが特徴。

KhronosとはOpenGLを策定しているグループです。
シリコングラフィックス(SGI)との関係は不明です。
SGIの中の一グループなのでしょうか?

Vulkanに対抗するAPIは既に実機で動いているものが有り、それはIOS上で動作しています。
それはアップルがWWDC 2014でiOS向けに発表したAPIのMetalです。

Metalはアップルが、OpenGLよりも無駄が少なく"薄い"APIを目指してアップルのOS向けに策定したものです。
2014年にはMetalはiOSにしか対応できていませんでしたが、2015年のWWDCで、OSX向けにも対応すると
発表されました。これでアップル向けの低レベルグラフィックAPIはMetalで確立されました。

こう見ていると薄くて無駄の少ないグラフィックAPIはMetalが発祥のように思われますが、ちょっと確認するべき
事が有ります。

Appleが新言語「Swift」とAPI「Metal」を発表して「iPhone 6」を発表しなかった背景 ~ PC Watch
 Appleは6月2日(米国時間)の開発者向けカンファレンス「WWDC」の基調講演で、新プログラミング言語「Swift」とローレベルグラフィックスAPI「Metal」などを発表した。
Mantleとよく似たMetalをAppleが導入
Appleの今回のWWDC基調講演の中で、もう1つ重要だったのはiOSの新グラフィックスAPIの「Metal」の発表だ。こちらは、ゲーム開発者にとってインパクトが非常に大きい。
Metalは、既存のグラフィックスAPIであるOpenGLよりも薄く、よりダイレクトなAPIセットだ。言ってみればMetalはApple版の「Mantle」または「DirectX 12」だ。MantleはAMDが自社GPUに導入した新しい独自APIで、DirectX 12はMicrosoftの汎用APIの次世代版だ。どちらも、“薄くオーバーヘッドの少ない”グラフィックスAPIという特徴がある。

実はMetalの前に、AMDがMantleをAMDのCPU用に独自に開発していました。
MantleはAMDとDICEが協力して2013年にマントルの開発を開始しました。
MantleはPlayStation 4とXbox Oneに搭載されているGPUをサポートしています。
これが軽量グラフィックスAPIの始まりです。

アップルが色んな手でiPhoneの延命を考えていた矢先、Mantleの発表が有りました。
そこでアップルは余り有る資金を存分に注ぎ込んで先にMetalを完成させてiOSに搭載したのでしょう。
OSXに間に合わなかったのは、iPhoneの延命が目的なので、とにかくiOSへの搭載が最優先にしたからだと思います。



そのMantleの発表とMetalの発表を受けて次に実装されたのはマイクロソフトのWindows 10向けに
出たDirectX 12です。実はDirectX 12がアナウンスされたのはMetalが発表されるWWDC 2014より
前のGDC 2014(Game Developers Conference 2014)で、3月20日でした。
ちなみにDirectX 12のβ版は2014年後半リリースされています。

流れで言うと、Mantle(AMD) ⇒ DirectX 12(Microsoft) ⇒ Metal(Apple) ⇒ Vulkan(Khronos)といった所です。

ただこのVulkan、採用する最大手は将来的にはAndroidになる模様です。
既にSnapdragon 820は Android 6.0 でVulkan認証を取得しています。
現在はSnapdragon 820に搭載されているAdreno 530だけがVulkan認証を取得していますが、
今後は他のAdreno 5XXや、Snapdragon 615/808/810等に搭載されているAdreno 4XXもサポートされる予定です。
ちなみにGalaxy S7 edge/S7はVulkanの対応が既にサポートが発表されています。

またKhronosがVulkanの対応を纏めたConformant Productsのページで対応状況が示されています。
それによると、OSでは Android 6.0、Linux(Ubuntu/Linaro)、Windows 7/8/8.1/10とサポートが公開されており、
AndroidではQualcomm、WindowsやLinuxではNVIDIAとIntelのCPUを中心にサポートが広がっています。
対応状況など何となくまとまっている所も紹介しておきます。


ではそのVulkan、全くの一から生まれたものかというとそうでは有りません。
この記事で明かされている通り、
 バージョン1.0と位置づけた従来版Mantleに関するBlogポストの翌日となる北米時間2015年3月3日,AMDでグローバルテクニカルマーケティング部門を率いるRobert Hallock(ロバート・ハロック)氏は,AMD公式Blogにおいて,Khronos Group(クロノスグループ)の新世代グラフィックスAPI「Vulkan」(ヴァルカン)が,その重要な要素技術の1つとしてMantleを採用すると発表した。つまり,ローレベルなグラフィックスAPIとしてのMantleは終息するのではなく,名前を変えて,業界標準の一部となるわけである。

MantleがVulkanと名を変えて多くのプラットフォームにまたがって登場するという事です。

何故そんな事が起こったのかというのは以下の記事が詳しく説明しています。
新世代の低オーバーヘッドなグラフィックスAPI「Vulkan」,ついに正式始動 ~ 4gamer
もっとも,MantleとVulkanは,密接な関係がある。Vulkanはもともと,Khronos内に設けられた「OpenGLに続く次世代のグラフィックスAPI仕様を策定するワーキンググループ」に対して,メンバーの1社であるAMDがMantleをたたき台として提案したことに始まる。AMDによると,その提案は2014年6月のことだそうで,当時の仮称は「neXt Generation Graphics Library」くらいの意味を持つ「XGL」だった。

早い話、AMDが2014年6月に、「Mantleを叩き台にしてVulkanを開発しよう」と提案した事が始まりのようです。


Androidは元より、Windows、Linux、PlayStation 4と多くのハードでVulkanが使えることになります。
Windows系はDirect X12が有りますが、Vulkanも使えるのでどちらを選ぶかはAndroidやLinuxに
またがって開発を進めたいかどうかによるでしょう。

人材的にはVulkanが使いこなせれば、一番多くのプラットフォームにまたがって、Vulkanの知識を
生かせることになります。

現状動作するAPIでのシェアの大きさ的には、OSXとiOS上のMetalがダントツではないかなと思います。
それはiPhoneが台数的に多く、しかもiPhone 4sまでMetalが対応しているiOS8が出ているので、数だと
圧倒してしまうでしょう。iPadでも使えますし、MacでもMetalに対応しているので数はさらに伸びます。
登場時期が速かったという事も圧倒的な対応数を叩き出す大きな力になっています。

次にWindows 10上のDirect X12、Windows 10のシェアがどこまでシェアを持っているかは分かりませんが、
確か何か月だか前に、「1億台に~」とマイクロソフトのウザいアラートに表示されていたような・・・。
そして2016年1月4日、Windows 10搭載端末が2億台に達したとのニュースが出ています。
今現在は3億台位でしょうか?iOS/MacOS軍団をWindows 10が猛追していると思われますが、
Androidが完全に対応してしまえばiOS/MacOS軍団もWindows 10もAndroidがさくっと抜かして
しまうと思います。なにせAndroid端末は年に10億台以上を売り上げてしまいますから。


そんなわけで最終的にはVulkanが一番動作するプラットフォームが多くなるわけです。
対応OSの種類でも、実機台数でも。

更にこんな記事のありました。

Want to run Vulkan on iOS and OS X? ~ MoltenVK
Move to the next-generation, cross-platform, Vulkan graphics API on iOS and OS X. Build portable graphics applications and games using the modern, industry-standard Vulkan graphics API, and seamlessly run your application or game across many industry platforms, including iOS and OS X.
MoltenVK is an implementation of Vulkan that runs on Apple's Metal graphics framework. With MoltenVK, you get the performance benefits and added debugging and performance tuning capabilities of the Metal framework on iOS and OS X, while maintaining compliance with an open, industry-standard, next-generation, high-performance graphics API. By building your application or game using the Vulkan API, you can run your modern graphics application or game unchanged across an entire industry of platforms and development tools.

どうやらMetalのフレームワークにVulkanフレームワークを被せるMoltenVKが開発されているとのこと。

これがどう利用されるのかは正直分かりません。
出来が良ければ、もしかするとiPhoneやMacにMoltenVKを入れておくのは当たりまえになるかも知れません。
もしそうならないのなら、iOSやOSXではMetalを使う必要が有り、iOSやMacOSにソフトを移植するには
一定の手間がかかります。iOSやMacOSでVulkanが使えれば、他プラットフォームでゲームなどを展開
する企業には有り難いはずですが、iPhoneやMacでは高速グラフィックスAPIを要求するものを移植する
のは不利な時代が訪れるかも知れません。

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  1. 2016/03/22(火) 19:47:14|
  2. 携帯
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コメント

Vulkanの利点にあとWin10搭載のWindowsでなくてもVulkanでユーザーに高画質なゲームを提供できるっていうのもあると思う Win10毛嫌いしてる人でもDirectX12相当のAPIを提供できますからね
  1. URL |
  2. 2016/03/22(火) 20:31:37 |
  3. 404 #-
  4. [ 編集]

それはiPhoneが代数的に多く→台数的に
これでいいのかな??
  1. URL |
  2. 2016/03/22(火) 21:15:33 |
  3. Nexus7持ち #-
  4. [ 編集]

些細なツッコミで申し訳ないのですが、
iOS機でMetalに対応するのはA7チップからなので、
5S以降のモデルでないと使えないです。
  1. URL |
  2. 2016/03/22(火) 21:41:18 |
  3. str #-
  4. [ 編集]

strさんの言う通り古いiPhone/iPadではMantleは動作しませんし、同様にWindowsであろうとLinuxであろうとGPUが対応しないと動作はしないです。
スマホより世代交代の遅いコンピュータではもっと時間がかかるでしょう。

あとOpenGLを使用したケースって一般用途だと非常に少ないのですけど、これはどうなるのやら。(使ってるはほとんど業務用ソフトですし、有名ゲームだとマイクラくらいでは?)

Androidが最大手プラットフォームになってWindows向けの一般ソフトやゲームもVulkanを使用したソフトが出てくればうれしいのですけど。(HSAを取り込んでるみたいですしAMDのAPUを活用できるようになるのはうれしいです。)
DXが強すぎますしどうなるのやら。
それにKhronosはまだOpenCLやOpenGLを終わらせるつもりはないみたいですし。

Androidで一番多いのは低~ミドルスペックのですからそこまでのグラフィック体験は提供しずらいでしょう。
それにもしOpenGLのようにグラフィック以外が弱いのであればゲームデベロッパーは活用しづらくなってしまいます。
Androidによって普及はしても活用されづらくなってしまうのが最大の懸念です。

ぜひKhronosにはOpenGLやOpenCLから移行を図れるよう最低でもCADや3DCG、CGの強いAdobe、Autodesk、OS最大手のMSなどとさらに協力して、業務用のソフトを移行させ、なおかつDXを使ってるゲームデベロッパーをどうにか移行できるように整えるべきです。(AMDやNvidiaのゲームSDKがVulkanで動作できるようにする等)
クローズドな姿勢が好きでない身としては普及してほしいので、もっとKhronosや関連団体にはさらに頑張ってDX12を超えるようになってほしいものです。
  1. URL |
  2. 2016/03/22(火) 23:24:10 |
  3. あのに #-
  4. [ 編集]

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